Ep21 車椅子マラソン・できないよりできること:西田宗城

 

レース後に滞在先のホテルで収録お疲れ様でした


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エピソードの要約

Ep21 車椅子マラソン・できないよりできること:西田宗城

トランスクリプト

00:00:00 できないことより、できること

00:00:38 オープニング「マラソンマンデー」

00:03:03 ゲストの紹介「車椅子マラソンランナー」

00:10:22 レースを振り返る「応援心を背負った車椅子」

00:15:57 その日は突然「いつから車椅子?」

00:21:09 全選手同じではない「障害レベルによるクラス分け」

00:25:08 トランスヒューマニズム「テクノロジーで歩きたい?」

00:29:30 広がるD&I「日本と世界の多様性」

00:37:51 車椅子陸上と格闘技「アスリート対談」

00:41:56 車椅子陸上を深ぼる「スポーツ科学で因数分解」

00:51:15 車椅子ランナーのウェルビーイング「できないことより、できること」

干城の黄金の経験EP21はバイオハッカーセンターJapanの提供でお送りいたします。

SHOWノート

EP21 Guest:西田宗城

対談中に話した話題

対談中に話したリソース・文献・引用

レーサーと呼ばれる西田選手の体の一部

レースお疲れ様でした!ボストン名物のロブスター

 

動画バージョンはこちらです Youtube

part1

part2

Ep21 車椅子マラソン・できないよりできること:西田宗城

トランスクリプト

00:00:00 

できないことより、できること

00:00:38 オープニング「マラソンマンデー」

What's up Teknation!? どうもタテキです大人の健康・保健・体育をEducationとEntertainmentを混ぜたEdu-tainment方式で語る番組Gold Experience Tateki Tech Show「干城の黄金の経験」は本日エピソード21。米国マサチューセッツボストンからプロ総合格闘家である私、タテキマツダと、今日はですね飛び入りです。いつもと違う久しぶりの(GETTの)収録。もちろんボストンからです。お送りしていこうと思います。本日は4月18日の月曜日AKA(Also known as)マラソンマンデーですね。もう日本はマンデー終わって火曜日ですか?本日は世界で有名なボストンマラソンの日でした。なんとですね、そのボストンマラソンをさっきまで走ってきた方をゲストに呼んでいます。イエスって言ってくれる強さにね...もう圧倒されてますよタテキ…そしていつもこのウダウダのNOプランで、いきなり収録が始ま◯△×すいません、カミカミではい、こんな感じで収録しています。今、急遽ホテルでセッティングをしてポッドキャストを収録しています。クラブハウスでは生配信中です。アナウンスメント!タテキはね、二週間前に試合をしてきました。いろいろ本日のゲストはアスリートなので干城と十年ぶりの再会かな?そうそうで十年ぶりっすね。同じ...競技は違いますけど、世界に挑戦してきてそんな中いろいろな事があったと思います。今日はそういうことも含めて、いつもはちょっと理屈っぽかったり研究がああだこうだとかっていうポッドキャストの感想も身内からチラホラ聞く中、フリートークで皆さまにお届けできればと思います。アナウンスメントはそんなところですThis broadcast is brought you by Biohacker Center Japanすいません、言い忘れるところでした。円安にも負けず引き続きサリーチェアー販売してますので、皆さんShowノートのリンクをチェックしてください。多くは語りません。ということで干城のウダウダのイントロもういいから本日のゲストとお話ししたいと思います。本日のゲストはこの方です!

00:03:03 ゲストの紹介「車椅子マラソンランナー」

タテキ:本日のゲストは車いす陸上そして先ほどのボストンマラソンで9位!走ったばっかりです。干城とは同期?一つ上?あのーですね、世界に挑戦するWorld Challengersというイベントがありまして、そのイベントをきっかけに知り合った元・お互い野球部ということで(よく干城の)先輩が出てくるこの番組、本日のゲストは西田宗城さんです。お疲れさまでした。

西田さん:お疲れ様です〜。皆さんはじめまして、車椅子マラソンという競技をやってます西田宗城と言います。今日はよろしくお願いします。

タテキ:動画バージョンの方はここに見える...ごっつい、色々聞きたいことばっかりなんですけど。

西田さん:そうですね。野球の話でいいんじゃないですか?ちっちゃい頃の

タテキ:そもそもゆっくりお話できたことないですよね?

西田さん:ないですね〜

タテキ:でも超久しぶりっていう感覚もあんまないという

西田さん:ないんですよ(笑)

タテキ:10年ぶりなのに(笑)ボストンにはちょこちょこ来ていたんですよね?

西田さん:そうですね。ボストンマラソン年に一回すごい大きな大会っていうのは皆さんご存知で、世界で6 Major Marathonっていう大会があって、その一つがボストンなんです。他にもロンドンマラソン、シカゴ、ニューヨーク、ベルリンであと日本の東京そのシックスメジャーの中の一つボストンマラソン。今はそのメジャーマラソンを中心に今は参戦して走ってる状況です。

タテキ:車いすマラソン...まずいろいろ聞きたいことがあるんですけど、リスナーの方たちは車椅子にも陸上があるのかっていうことが多分分からないと思うんですよ。そもそも我々マイナー競技という共通点で知り合ったじゃないですか?椅子陸上のマラソンがあるっていう感じで

西田さん:そうですね。いろんな種目、もちろん色んな障害があるからそういう種目があるんですけど例えば目に障害がある人であれば、そういう視覚障害のクラスがあったり、耳だったら聴覚があったりとかで、僕らでしたら主体に不自由がある場合でしたら義足を使ったり走る競技があれば義足も使えない僕たちみたいな下半身不随の場合でしたら、こういう車いすに乗って競技用の車いすレーサーっていうんですけど、乗ってレースに参加するっていういろんなパターンがありますね。

タテキ:そして更に距離もありますよね?

西田さん:距離もありますね

タテキ:400mとか1500mとか

西田さん:健常の競技と一緒ですね100メートルもあればリレーもあれば、一番長いので、マラソンがあるって感じですね

タテキ:なるほど〜動画バージョンの方は見えると思うんですけどね干城と西田さんの間にある

西田さん:さっきこれ乗ってボストン走ってきました

タテキ:さっきまで走ってましたからね(笑)大体の競技人口はやっぱりムラがあるんですか?

西田さん:そうですね。実際の障害者スポーツの中でも車椅子バスケがあったりとかラグビーがあったりとかするんですけど割とメジャーな方ですね車椅子の競技っていうのは、と言っても日本で実際このレーサーに乗って参加する、できる大会っていうのはちょこちょこあるんですけど、一番参加者が多くて200~300いかないぐらい

タテキ:へぇ〜そこそこなんかあえーと小規模な年齢別のグループで分かれてるアイロンマンレースとかそれこそ障害物のスパルタンレースとか200、300人多くてそのくらいのグループだったりするから、すごいですねそんな中で9位ですか?

西田さん:いやまぁでも、その中でも割とガチでやってると言うんですか、僕なんかは企業に所属をして、この競技活動も仕事の一環としてさせてもらってるんですけど、仕事としてやってる選手っていうのは20、30人かな?日本であればって感じですかね

タテキ:もともと野球部ということで

西田さん:はい

タテキ:それこそ高校生の時によく話になるのが大学に行って野球やるか、社会人に行くか。プロに行くかとか、でいかに競技をやり続けるかってもう本当に部活の世界で生きてきた我々って言っていいですか?一緒にして

西田さん:(こっちこそ)いいんですか?

タテキ:そういう選択肢で企業とか団体に所属組織に所属することの有難さとか強みとかは誰でもできるわけではないじゃないですか?色々ありますよね。所属できたのはいいけど全然その、、、いっぱい何人も先輩がいたりとかそういう中で選手生活することはこういうもんだよみたいなことを説明してくれる人とかいないわけじゃないですか?そんな中World Challengersというイベントで十年前に一緒に出会って競技資金の調達とか色々ありますけど、ありましたけど(笑)どうですか?(所属)企業に今回も会社を背負ってレースに出るみたいな感じなんですか?

西田さん:そうですね。やっぱり企業に所属するっていうことですごい責任感も生まれてきますし、やっぱり結果が必要になってくると。会社の人は「そこまで気にしなくても」って言ってくれますけども、やっぱりやってる本人としてはやっぱり結果も持ち帰ってっていうのはという認識をしてやってますね。

タテキ:そうですよね。我々勝負の世界で生きているアスリートはもう天国か地獄か、だから。例えばスポンサーへのリターンとかがもう何倍にもなって、リーチ数とか色んな相乗効果が生まれて、負けたら自分自身もやっぱり勝った時とは全然違うように落ち込んだりとか、いろんな責任を感じたりとかありますもんね。いやだからこの企業にずっと常に所属してるって干城の場合は常に個人プレーで...何て言うですかね…今回この試合にはこのスポンサーがつくとかみたいな感じでやっぱり変わってくるんですよ。でも、ずっーと所属先の社名を背負ってやり続けていることを少ないですけど是非、宣伝してください。ちなみに西田選手のソーシャルメディアや色々な活動の場はShowノートにまとめておきますので、tatekitechmatsuda.com からご参照ください。

西田さん:そうですね、やっぱりさっき言ったように責任感ですよね。

00:10:22 レースを振り返る「応援心を背負った車椅子」

タテキ:責任感。これもポッドキャストとか全然関係なくて個人的に聞きたいんですけど、やっぱり申し訳なく思いながら競技やるってベスト出ないじゃないですか?

西田さん:そうですね。

タテキ:そこの切り替え方とか物の捉え方、あとは試合のやっぱりどのアスリートでもピークに持っていく方法って人それぞれじゃないですか?ちょっと聞きたいんですけど、何かあります?

西田さん:そうですね。

タテキ:レースに向けていろんなプレッシャーあるけど、もう最終的には俺がやってんだからみたいな感じで開き直るのか?それとも

西田さん:それはないですね。でもマラソンだったら大会によって全然コースも変わってくるので、それによってレースプランとか、どういう風に自分の得意不得意っていうのは分かってるので考えながら、例えば今日のボストンのようなコースだったら結構アップダウンが激しいコースなんですよね。世界の大会の中でも。僕自身すごい体重が重いので下りでは攻めていける、でも登りボストンのハートブレイクヒル後半に残っているところでしたら

タテキ:マサチューセッツ州の西側、まさに丘ですよね?

西田さん:もうどこまで続くねんw 一回あって、まぁ三回あるんですけどw二回ぐらいでもう終わりかなと思って、まだちょっと走ったらまたあるって感じですごい...何?あんまり格闘技のことわかんないですけど、ボディばっかり狙って

タテキ:なるほど。でもやっぱり勝ちに集中するから、そういう戦術とかプランとか常にエモーショナルな感情の部分はあんまり左右されないっていうことですか?

西田さん:そうですね。どっちかって言うと色んな想定するプランを僕の場合でしたらレース前に立てて、他の参加してる選手のどれぐらいの力量とかっていうのが分かっているのでここの場面やったら、この選手が行きそうとかっていうのが分かるので、だから…あとコースとか、もちろん風向きとか天候によってもプランも変えていくので、今回のボストンでしたら9位の結果めちゃめちゃ悔しいですけど、今日のレースのパターンだったらどっちかというともう仕方なかったかなとは思ってます。

タテキ:なるほど。普通にアスリート目線で聞いたんですけど、今めちゃめちゃインタビュアーの気持ちになって一般の方たちが聞くような質問をしたんですけど、一緒ですね。だから結局やっぱり集中できてるじゃないですか。戦術とかボストンの地形とかを考えて、周りと相対して比べて自分のいいところと悪いところどうやるかって。それってもうスポンサーのお陰というかその所属してる会社さんのおかげっていうか本当にマッチしてるじゃないですか。集中できるからこそ本当にレースに集中できて、変に(支援に対して)ありがとうございますみたいなプレッシャーもなければ、やっぱりレース出来てるっていう感じに干城には聞こえたんですけど。

西田さん:常に会社には感謝して他にもスポンサーさんいらっしゃるので感謝の気持ちではいてて。だからこそ今回もちろん悔しい結果だったので、また次!次のレースはまた秋になってくるんですけど、それに向けて変化をしていかないといけないなと思ってます。だからどっちかって言うと悔しい、わークソっていうよりかはじゃあ次何やろ?って、これを今までやって同じことをやることも大事だと思うんですけど、やっぱり何か状況、状況によって体も変わってきますし、それに応じて変化を恐れずに挑戦したいなとは思ってますね。

タテキ:いや、もうすぐそこに... Tom Bradyの、NFLの伝説的プレイヤーのトムのセラピーセンターみたいなところがあるんですけどそこのスローガンが「Keep Going」で「継続は力なり」ってやつですよね。いやだから一緒だなっていうのが自分も二週間前カナダの団体で試合があって、自分は柔術茶帯なんですけど、相手は黒帯で、いいところまで行ってたんですけど寝技でポイントでちょっと負けてしまって。結局一緒で...勝ち負けだけなんで。

西田さん:はい

タテキ:でもじゃあそこでって言ったらやっぱり結果を受け入れて進むしかないですよね?そうなんです。だから(悔しくて)普通に先週、週七で練習してて西田さんがボストンいるって急にメッセージが来て、会いましょうみたいな(ちょっと音が大き過ぎてスイマセン)興奮しちゃって、それで急遽こんな感じで収録してますけど、ワールドチャレンジャーズの時はちょっとしかお話できなかったと思うんですけど、でも元野球部ってことで覚えてるんですけど、それ以外のことは深く話してなかったと思うんですけど。

00:15:57 その日は突然「いつから車椅子?」

西田さん:だから...まぁそもそもですよ。そもそもこの車椅子マラソンという競技をやってるっていうのは、いろいろぶっ飛ばしてる感じがすると思うので。なんでそもそも車椅子乗っているの?多分皆さんになってると思うんですけど、実際僕も野球やってて「車椅子でやってた?」みたいな感じでとらえてるかもしれないですけど、もともとずっと同じように健常者として小学校四年生から少年野球をやって中学行って高校行って大学でもやってる大学三回の時だったかな?二十歳の時に全然野球とは関係ないところで車に乗ってて、助手席に乗ってたんですけど、運転してた車が電柱にぶつかってしまって。目が覚めたらもう病院のICUの中で...というような状況で。だからもうそっからですよね車椅子生活っていうのは。

タテキ:起きて、それで体が言うこと聞かないみたいな?

西田さん:その時は何が起こったんやろう?って今ここどこ?っていう感じなんですよね。目が覚めたらもう真っ白の天井しか見えてなくって。病院の中っていうのは気づいたんですけど、ちょうど次の日に大学のリーグ戦があって、一応出させてもらってて。あ、ちょっと明日は厳しいかな?この状況で

タテキ:ですよね

西田さん:何が起きたのか知らんけど、さすがに厳しいなでもまた一週間後にもリーグ戦あるからそれぐらいには戻れるかな?ぐらいの感じだったんですよ。でもまだその時、車椅子これから使うってのは全くイメージできてなくって一日経って、二日経って、一週間経っても同じ病院、同じベッドの上全く動かないですよね。そんな時になんか僕もおかしいなって思ってたんですけど、二週間後ぐらいかな?主治医の先生が来て、「ちょっと西田君ビックリせんと聞いてな」と「今の医学の力だとこれから歩くことできへん。だからこれからは車椅子を使って生活していかなあかん」っていうふうに言われて「ああ、車椅子を使ってこれから生きていかなあかんなー」って思ったのがその時です。

タテキ:その時は受け入れるのは難しかったですか?

西田さん:あのね...あんまりへこんでたんですけどなんかそういう凹んでる姿を周りに見せたくなくってお見舞いとか来てくれても...いや全然大丈夫やで〜とか、すごい野球、もちろん筋トレとかもしてたんで、もうベッドの上で何も動けないっていうのがすごい辛かったですよね。やっぱり運動してる身からしたら。取り敢えずダンベル持ってきてもらって、鍛えてましたけど。うん、なんて言うかな...どっちかって言うと足が一緒に動かないっていう

タテキ:という事はL (Lumbar)?

西田さん:えーとね、脊椎のTHの胸椎ですね。胸椎の十番の神経が完全に切れて、だから丁度おヘソの裏辺りですね。だから、おへそから下の機能っていうのは全く機能しない。もちろん熱いとか冷たいとかっていうのも分からないので、その辺も気をつけないと日常生活では気を付けないといけないですね。

タテキ:なるほど

西田さん:そういうのあったんですけど、なんかそのさっき言った一生車椅子やっていうことが、もちろんすごいショッキングなことだったんですけど、それよりも今まで通り野球が出来ない体になっちゃったっていうその気持ちの方が強かったですね、

タテキ:いやー、自分には分からない気持ちですよね。

西田さん:そうですよね。

タテキ:変な話やっぱり格闘技とかって明日全くできなくなるっていうことも自分も(怪我で辞めた人を)見てきたんで

西田さん:はい

タテキ:だから、すごく緊張感がある言葉だし、そうだったんですね。

西田さん:まー凹むと思いますよ。なんか知らないうちに基本的に前向きに考えるタイプだったので、じゃあ例えばリハビリとかも始まるんですけど、半年ぐらいかな家で生活するためのリハビリベッドから車椅子に移るであったりとかトイレに移るであったりとかっていうリハビリをし始めましたね。

00:21:09 全選手同じではない「障害レベルによるクラス分け」

タテキ:なるほど そっかー、せっかくだからなんか自分も前向きっていう言葉にプッシュされたじゃないですけど、解剖学的にやっぱりお尻の筋肉が使えないと少し体が内向きになるわけじゃないですか?だからそうなってくると体幹のフルの回転を使って車椅子を推進力を発揮できないんじゃないかな?っていうハンデがあると思うんですけど、それって人によっては下半身動かないけど、ここまでだったら動けるとかっていう人たちにとって、ちょっとそこでも誤差あるんじゃないですか?

西田さん:さすが良いところつきますね。一応その障害によってレベルによってクラス分けは大まかには

タテキ:ありますけどね

西田さん:僕らの車椅子マラソンの障害クラス分けであったら三つに分かれてて、手も上半身も全く機能しないという。それが一番程度の重いクラスがあって次に...

タテキ:すいません...え!?手が動かなくて車椅子乗るんですか?

西田さん:乗るんです

タテキ:どうやって競技するんですか?

西田さん:この車椅子…横にハンドル

タテキ:ありますね。はい

西田さん:そこにグローブ、手を当てて漕いでるのではなくて、そういう専用のグローブを横のハンドルにキャッチっていうんですけど押し当てて交互にですね。

タテキ:へぇー

西田さん:だから手の力がほとんどない人だったらそういうグローブを工夫したりしていますね。

タテキ:そうなんですか

西田さん:次に程度の軽いクラスであったら上半身に若干力入るとか、頸椎損傷のわりと軽いレベルの人があるクラスがあって、最後に僕も入ってるクラスがあるんですけど、だから脊髄損傷であったりとか、切断であったりとか、それこそ先天性の障害であったりとか、さっき松田さんがおっしゃったみたいに、もう腰も効くよと足もそれ言ってみたら足も踏ん張れるよ。そういう人と同じクラスにはなってますね。

タテキ:あーそうなんですか。ってことは西野さんほんとピュアに(腕だけ)そうですね。だから骨盤が常に寝ちゃってる状態ですよね。

西田さん:はい

タテキ:えーーー

西田さん:その辺のハンデっていうのはまあやっぱりあるんですけど、それはルールで決まってることなんで何も言わないですけどやっぱり...

タテキ:勝負師として何も言わなくてもいいですけど、我々は知りたいので!そうか...

西田さん:だからやっぱり登りであったりとかっていう腹筋、背筋はほとんど大丈夫なんですけど、腹筋であったりすると、もうおへそなんで腹筋の半分は(言う事)聞かないですね。だからそういうハンデもあります。

タテキ:だから上り坂は(姿勢が)沈みながら漕ぐ(力が入る姿勢で)できないんだ!運動まったくわからないっていう方は押す動作って、あんまり背中とか、背中はどちらかというと引くっていうことしかないと思うんですけど。いや実は使うんですよ。だからレース用の車椅子を見たりとかお話を聞いて絶対そこにハンデじゃないけど、全員みんな同じコンディションでレースはしてないだろうなっていうのは部外者ながらちょっと感じたのでちょっと聞きたかったんですよ。

西田さん:そうなんですよ

00:25:08 トランスヒューマニズム「テクノロジーで歩きたい?」

タテキ:あともう一つお聞きしたいのが、今バイオハッカーセンターJAPANというのを立ち上げてバイオハッキングっていうコンテンツを日本に広めてるんですけど、ちょっと怪しい壺を売る人みたいな感じに聞こえるかもしれないですけど、何が言いたいかって言うとバイオって生物学ですよね。生理学とか人間の我々の周りの環境を生活習慣とか何かを頑張るっていろんなこと頑張らなきゃいけないじゃないですか?それをハッキングしてハッキングって悪い言葉のイメージがあるんですけど、より良くしていくっていうコンピューターウイルスで破壊する人はcrackerの方なので、hackerはどちらかというと良くしていくっていう。そういう意味で効率よく生産性を上げたりとか人生が豊かになっていくためのバイオハッキングを日本に広めてるんですけど、その中で今、もうみんなが聞くであろう(言葉)「多様性」

西田さん:はい

タテキ:多様性と「障害者と健常者」っていろいろ区別があったりとか、そういうグレーゾーンとか片方が遠慮しちゃったり片方が知らなかったりとかして絶対色々ある訳じゃないですか?ぜひ聞きたいのは、例えばなんですけど、今日常のほとんどが車椅子生活ですけど、変な話サイボーグみたいな感じで歩けるようになるとかって言ったら西野さんどう思いますか?そういうテクノロジーがもし近い将来できたら?

西田さん:もう車椅子生活になって18年。ちょうどもう二十歳の時になったので半分、人生で半分になろうとしてるんですけど、やっぱりそういう話題って結構出てくるんですよね。例えば医学が進歩して歩けるようになったらどうする?みたいな車椅子仲間の中でもあるんですけど、僕も含めてほとんどが車椅子生活のままでいいって

タテキ:へぇー

西田さん:言ってますね。僕の周りはわりと運動してる人が多いので若干その...

タテキ:腕っぷしだけで生きるって正にこういうことですよ!

西田さん:はい

タテキ:そうか〜いや、それこそ別に二足歩行じゃなくたっていいじゃんっていうなんか考え方だってあるような気がして。すいません、ボストンって今動物みたいな動きをするロボットを開発したりとか、あとMITとかにも色々あって、それこそ西田さんがケンタウロスみたいな感じになっても、なんか別にそれはそれで何て言うですかね…人によってはかっこいいって思う人もいるかもしれないですよ。なんか逆になりたいみたいなもちろん人によってはなんかそうまでして人間の限界を越えようとするの?みたいなそういう考え方もあったりとかして。我々は別に普通の健常者は何もしなくても、ほとんどの人は何もしなくてもいいっていう中ですけど、西田さんのような方たちはそういう機会があるんだったら、それに対する考え方とか価値観ってどうなのかな?ってすごい気になったんで

西田さん:一回どんなもんかな〜?ぐらいのはあるかもしれないですけど

タテキ:経験して

西田さん:はい、でも基本はもうこのままでいいかなって。全然不自由なく生活はできているので。一つ挙げるとしたら野球やりたい

タテキ:なるほど。野球やりましょうよ!日本帰ったら

西田さん:キャッチボールします?

タテキ:バッティングピッチャーしますよ

西田さん:キャッチャーだったので

タテキ:キャッチャーだったんですか?でも座ってても別に打てますよね?

西田さん:打てますね昔OB会とか行った時に打たせてもらったことあるんですけどやっぱり捻りが...可動域が制限があるので、どっちかっていうと...なんていうかアプローチだけって感じですね。

00:29:30 広がるD&I「日本と世界の多様性」

タテキ:なるほど。いつも、これは様々な音声メディアとかバイオハッカーズポッドキャストでもそうですし、この黄金の経験でもよく話すんですけど、ちょっと哲学っぽくなるんですけどウェルビーイングって「幸せ」って点だと思うんですね。ウェルビーイングもっとふわふわとした状態で、健康ってギリギリ病気じゃない人も健康じゃないですか?その上にまた更に健康の上にウェルネスみたいなのがあって、でもそのウェルネスっていうのは心のウェルネスもあれば体のウェルネスとか、いろんなウェルネスがあって人によってそのバランスは違ってて、その全体の状態が干城の中ではウェルビーイングだと思うんですよ。そのウェルビーイングが一人一人違う中で、今よく言う、世界がやっぱり分断されてて色々と世界情勢があったりとか、能力がある人が能力のない人を差別したりだとかコロナでどんどん格差が広がったりという中で、その中で東京五輪も盛り上がってパラリンピックの選手にも注目が集まったと思うんですよ。いわゆる健常者、普通の人がそういうことを知ればするほど多様性、多様性って、あっ!こっちにも多様性があってあっちにも多様性があって、あっこれ気を付けなきゃいけないなんとかしなきゃいけないって…そういう風にせかせかしてるように見えますか?逆に健常者たちが?

西田さん:うーん

タテキ:それか社会全体として

西田さん:どうなんですかね...

タテキ:すいませんフルマラソンを走った後にめちゃめちゃ深い質問して

西田さん:今日朝もう一時から起きてます

タテキ:マジすか!?時差ボケで?

西田さん:三時に起きる予定ではあったんですけど、ここのホテル六時出発だったので

タテキ:ですよね?

西田さん:だから若干の時差ボケで一時くらいだったらいいかなぐらいで...

タテキ:うわー

西田さん:でも走った後なんで

タテキ:いっぱい出てますか?ドーパミンとかBDNFとか?すいません訳わかんないこと言って

西田さん:もう出てるんでwそうですね。多様性は僕らから見て日本の場合ですけど、なんていうか…なんて声かけていいんやろうとか?例えば電車乗る時であってたりとかして僕の最寄り駅が昔エレベータしかなくて、エレベーターがなくて階段しかないと…これは良い方の話なんですけど、駅員さんが言ったら担いで運んでくれるんですね。でも...電車いつ乗りますか?みたいな帰りがいつぐらいになりますか?とか聞かれるんですけど、そんな難波に大阪住んでるんですけど、難波に飲みに行くのに何時に帰ってくるか分かれへん。どの電車、何時なんて分からないんですよね。

タテキ:そりゃそうですよね。

西田さん:駅員さんとしては着いた時に運べるようにという事なんですけど、いや、分かりませんでも(帰りの電車に)乗っていったんですけど、僕どっちかというと「なんとかなるやろう」っていう考えで行ったんですけど、その最寄り駅に帰ってきましたホーム降りてから改札出るまで階段しかなくて、どうしようもないと、もう階段の前で待ってたんですよね。行きたそうな目で、降りてからなのでそうなんですけど、やっぱり集まってくるんですよね。大丈夫ですか?ってサラリーマンの方であったりとか、色んな人が。だから...おそらく...なんて声かけたらいいかわからへんけど、助けたい。例えば何か困ってることがあったら何かしてあげたいという気持ちはみんな持ってるでしょうけど、その最初の一歩がなかなか日本の場合はいかないことが多いんじゃないかな?と思いますけどね。

タテキ:海外の人達ってどちらかと言うと「困ってる人を助けよう」が第一にあるんですよね。日本ってどちらかと言うと「人に迷惑かけない」みたいな感じで「この人が何を考えてるんだろう」みたいな事を凄くリスペクトするじゃないですか?だから人によっては...「いや俺は別にハンデキャップあるけど、そこまで手を借りたくない」っていう方もいるかもしれない。そういうこととかも、色々考えて「えーどうしよう?どうしよう?」と思う方が多い感じなんですかね?だから...聞いたことあるのはロンドンってすごく歴史があるじゃないですか?だからハイテクでバリアフリーとは程遠いですけど、基本誰かが運んでくれるみたいなことがあってああ、なるほどなって。だから結局、無理してテクノロジーを急いでなんでもかんでもってやるよりかは、そこの土地の文化とかで何とかなるんじゃないのと身を任せたのがいいのかなと、話を聞いて思いましたけど、でも何言ても、普段自分の周りに車椅子生活してる方はいないので

西田さん:だから多分何て声かけていいのか分からないですよね、だから、僕なんかどっちかと言うと、これ確実にめちゃめちゃ段差が高いのがあって行けないってなったら、まず周りにスロープあるかどうか探すんですけど、どうしても行けない場合とかだったらちょっと声かけますもんね

タテキ:普通じゃないですか?それが、うん。

西田さん:だからアメリカとかの場合だったら、別に困ってないのに声かけてくれますもんね。

タテキ:そっか...今、いろいろと多様性と言う事が、人によってはどんどんどんどん世の中を複雑にしてしまうんじゃないか?ってだから結局行きつくところって、我々が持つのは共通言語というか共通認識とか、そういうことが大切ですよね。だからそうなってくると...でもパラリンピックの盛り上がりとか、そういうの見てるとやっぱ嬉しくないですか?

西田さん:嬉しいですね!もちろんそこで走りたい気持ちはすごい大きかったんですけど、残念ながら出れず、だったんですけど、それでも例えば車椅子を使ってやるスポーツってあるんだであったりとかっていうのをいろんな人に見てもらえるきっかけができたっていうのは嬉しいなっていうふうには思います。僕自身も二十歳で事故した時にずっとスポーツやってたから、また何かスポーツやりたいなっていうのはあったんですけど、全く知らなかったですからね。丁度その頃...

タテキ:でも普通に(西田さんの)上半身の写真見たら、普通にめちゃめちゃゴツイですよ。あれみたいっス、、、カヌー選手とかあっち系の(アスリート)やっぱりもう上半身が!

西田さん:だから全くどんなスポーツしたいか分からんぐらいで、丁度スラムダンクの作者さんが描いた車椅子バスケ「リアル」を読んでたので、だから車椅子バスケぐらいかなっていうので知ってたくらい。多分(車椅子競技の)ベースは知らない人が多いと思ってて、だからそういう知るきっかけっていうのをどんどん作れるのはいいなっていうのは思いますね。

タテキ:なるほど〜。

西田さん:やっぱり僕も年に数回ですけど、小学校とか中学校に講演させてもらう機会があるんですよね。だから子供とかにもこういうスポーツ知ってるって聞いても割と増えてきましたね。感覚的に

00:37:51 車椅子陸上と格闘技「アスリート対談」

タテキ:なるほど。今は所属先があるとはいえ、これボストンに持ってくるだけでもめちゃめちゃ

西田さん:そうなんです

タテキ:コストかかりますもん 

西田さん:でもこれ預け荷物でいけるんですけど、先ずこれがないと、言うたら僕の足なので。先ずこれが完全にどこも潰れてなくてっていうのが一番最初に気になるところですね。

タテキ:本当に体の一部ですもんね。えーすごいな!やっぱり移動コストとか基本、普通の人の倍くらいなんですか?

西田さん:いや一緒ですね。でも...

タテキ:追加料金とか

西田さん:荷物が増えた場合は追加がかかるのは一緒ですね

タテキ:競技資金ですよね

西田さん:でも今はありがたいことにこういうボストンとかメジャーマラソン海外である場合は招待して頂いて、だから例えばここのホテルであったりとか、渡航費であったりとかなどの出費は出していただいて

タテキ:それはボストンマラソンサイドからですか?

西田さん:はい、そうです。

タテキ:そういうところとかも知らなかったですね。外めっちゃ盛り上がってますからね。

西田さん:今ゴールした人もいてるかもしれないですね。

タテキ:そうですよね。

西田さん:だから一般の人だったら11時スタートなんで

タテキ:あ、そっかそっか!

西田さん:今17前ぐらいですか?

タテキ:トップの選手は(スタート)朝ですもんね。

西田さん:だから割とゆっくりジョギングで走るぐらいの人がゴールして

タテキ:自分の友達も走ってレジストレーションしないで無登録で(笑) だからゼッケンないですよね。

西田さん:途中でビールとか飲みながら終わってからもビールみたいな感じの人が今ゴールしてると思います。

タテキ:すごい

西田さん:楽しんでて羨ましいです

タテキ:学生時代はスポーツ科学を専攻してたのでボストンマラソンの日にボランティアをすると単位がもらえたみたいなことがあって毎年ジャージのデザインとか変わったりとかして

西田さん:はい

タテキ:あとは過去にねちょっと悲しい出来事、テロもありましたしなんかすいません、真面目な話になっちゃって

西田さん:松田さんは実際マラソンとか走ったりしたことないですか?

タテキ:いや、最近では殆どスパルタンレースですね。大人の障害物競争みたいなSASUKEのもっと緩くなったけど5kmとか10kmとか20kmとかあるやつですね。それをコロナ前とかにやってたくらいで、だからマラソンは...

西田さん:メッチャすぐ乳酸たまりそうですね。後半とか全然力入らへんみたいな。

タテキ:いやー、だからやっぱり格闘家って朝起きたらロードワークみたいなイメージあるじゃないですか?ボクサーもいいんですけど、やっぱり今スポーツ科学の世界も色々変わってきてて有酸素運動をやり過ぎると逆に男性ホルモンの数値が下がったりとか、だからトレーニングのボリュームもありますよね。どうなんですか?パラリンピックの選手とかも練習メニューって?

西田さん:やっぱり健常者に比べたらトレーニングのメニューをどう組み立てるってちゃんとした例えばコーチであったりとかですよね

タテキ:そうですよね!いないとそもそも我流とかになっちゃいますよね?

西田さん:基礎があんまりないですよね

タテキ:例えばですけど400m走の選手が(怪我防止や科学的に)400m走らないみたいな

西田さん:なので、わりと僕であったりとかしたら周りの選手のメニューを色々参考にしたりとか、それを自分のポテンシャルに合ったメニューに組み替えたりとかしてて結構、昔はそれこそマラソン走るから一回走るのはもう40km走らなあかんとか、そういうディスタンス系のトレーニングが多かったんですけど、最近は...

00:41:56 車椅子陸上を深ぼる「スポーツ科学で因数分解」

タテキ:ちなみに今日のタイムはいくつくらいだったんですか?

西田さん:今日は一時間三十八分くらい

タテキ:すげー

西田さん:遅い方なんですよ

タテキ:あ、そうなんですか!

西田さん:自己ベストは一時間二十分なんですね平均時速で言ったら

タテキ:でも、あのアップダウンがあるから

西田さん:三十キロぐらいですね

タテキ:凄いですよ。マサチューセッツ州のマサチューセッツ州って東京都と似たような感じで西にずっと続くんですよね大きな森があるような感じでそれでまさにアップダウンがあって、今西田さんが持っているそれが付いているんですよね?

西田さん:スピードメーターとか出て、心拍とかもちろんタイムや距離とか出るので、今日ちょっと見てなかったんで

タテキ:レース中に見えないですか?

西田さん:それは流石にレース中は余裕がある時は見ます

タテキ:見るとちなみに心拍数どのくらいなんですか?

西田さん:今日見てたらハートブレイクのところだとずっと180bpm以上ですね

タテキ:180bpm以上ですか?心拍数はいすごいわ上半身だけで180bpmって相当ですよ。普通の人がやったらまずそこまで上がんないですよ

西田さん:今日最高速度は75.1kmって出てます

タテキ:マジっすか?トレーニング時間、トレーニング時間っていうかレースだから、走行距離42.95km 最大心拍数195bpm平均心拍数170bpm 最高速度71.5km。すごいな消費カロリー495kcal多分もっとありますそうですねw すごいなー! 色んなアスリートのコンディショニングでよく綱引きのめちゃくちゃ太い綱を持って、パコパコやるんですけどそれに比べると、例えばバイクとか、あとはキャタピラの形になっててちゃんとしたフォームで走らないと前に進まないトレッドミルとかあるんですけど、そういうのでやる時もやっぱり全身運動といっても下半身の方が心拍数が上がるんですよ。だからおへそから上だけで170bpm平均ってやばいっすよ。

西田さん:イメージ湧かないですけどね。

タテキ:だから...心臓とかの負担も相当あると思いますよ。

西田さん:基本練習でもそうなんですけど、こういうレース、ハードなレースが終わった後、おしっこしたら血しか出ないです。最初はずっとヤバって思ったんですけど、次おしっこする時は全然問題ないので、お医者さんに聞いたらそれなら大丈夫だよ。あんま気にしてないですw

タテキ:すいませんそんな

西田さん:すみません

タテキ:フルマラソン走って血尿出てる(のに収録)

西田さん:そんな話ですいません

タテキ:しかも後輩なのに(無理矢理ゲストオファー)

西田さん:だから最近の練習はどっちかというとさっき言ったの40km走るとかではなくて、メニューが確立されてないっていうところで他の選手がやってるメニューを取り入れている中で、割とインターバル的なメニューが多いです(効果あるデーター)

タテキ:出てますよね

西田さん:だからそれこそ心拍でやってるメニューだとしたらもう30秒間ほぼMAXで一気に心拍を上げて、その一気に上げた状態をキープするっていうのを例えば3分4分ぐらいのメニューで組んでとか、休憩その間の期間を短いバージョンであったりとか、長いバージョンというのもやりながら

タテキ:なるほど、そこでLactic Acidを乳酸を貯める無酸素系の運動をやって徐々に徐々にトレーニングボリュームをコントロールして、レースにピークを持っていく。へえー、すごいなぁ

西田さん:であったりとか、負荷とかも色々調整今は基本、自宅で練習することが多くて、自宅に健常の人が使うルームランナーみたいな、そのレーサー版があるんですよ。だから後ろの車輪だけが回るっていう状態でやってるんですけど、だからあんまり家から出ないっすね。

タテキ:家から出ましょうw テクニックの練習とかはやんないですか?それこそただ我武者羅にやるっていうよりもフォームをしっかりする練習はありますよね?

西田さん:意識する、負荷を弱めて鏡見ながらイメージ通りか、どうかっていうトレーニングもしたりしますね。

タテキ:なるほど。あと...やっぱりちょっとストレートネック気味になるじゃないですか?常にこうやってると

西田さん:中に入ると思いますねやっぱり...

タテキ:背筋の引く運動できるんですか?

西田さん:できます!

タテキ:へぇーそしたら肩胛骨の可動域とかを常に意識するというか、鍛えるだけで全然その...燃費じゃないですけど、そのワンプッシュでどれだけ推進力が上がるかっていうのは変わってきそうですよね

西田さん:イメージ的に腕で漕ぐんじゃなくてそれこそ肩胛骨で押し込むようなイメージ

タテキ:そうですよね。そうか...なんか力になりたいな!それこそ腕の動きとかグリップの神経の動きとかよくするために首とかも凝っちゃうと、神経を圧迫したりとか人によってはあるじゃないですか?それこそボディビルダーの人とかがベンチプレスとかやり過ぎて筋肉が神経を圧迫しちゃって力がうまく入らなかったりとか、だからお尻が踏ん張れない分、フォームでワンプッシュの効率をよくする。だって、そうじゃないですか二十代の頃とは我々やっぱ違うから、どちらかというと、いかに効率良くとかテクニックは深めていきたいですよね。

西田さん:そうですね。だからそれこそ骨盤が起きてる状態とか一番力が僕の障害のレベルで入るポジションっていうのはやっぱり常に何か探してるような状況で、例えばこういうクッションを入れて膝の角度を変えたりとかして基本はもう体に合わせて作られてるんですけど、そういう微調整はやってでも未だに確立はされてないですね。自分の中でこれがいいっていうのは。

タテキ:そうなんですかやっぱりそういう開発者とかももう当事者になってみないと見えない事とかわからないこといっぱいあるでしょうね

西田さん:だから今だったらこのハンドリム(大車輪の外側にある)ハンドリムにグローブを当てて漕ぐんですけど、キャッチした時の力の強さ、縦方向、横方向、中の方向とかっていうのをデータで取ってもらったり、それを参考に自分のイメージ通りかどうかというのも含めて定期的に計測はしてもらってます。

タテキ:それ筋肉バージョンありますよ。ボストンのオフィスで開発してて、自分ちょっと絡んだんですけど、ちょっと筋肉にいろいろデバイスを付けるんですよ簡単な運動すると、左右でどれだけ収縮に差があるかとかそういうバランスが全部モニタリングできたりとかして、それを今度スマホにつなげたりとかしてそれの車いすバージョンとかもあるんですね。なんか左の方が強く回転数があるとか、右が強い、弱いとか誤差があるんでしょうね。

西田さん:ハンドリム、これ時計に見立てると0時のところから漕いで、どこまでグローブのゴムの部分に当たっているのかというのを僕も左右差があったりするので、やっぱりそこも意識しながら

タテキ:(体の)癖とか

西田さん:そもそも今あるポジションが一番ベストのポジションかどうかも分からないので、例えばそういう微調整して実際今おっしゃったみたいに筋肉の動きとして強さとしてベストなポジションっていうのがもしかしたらそれで見つかるかもしれないですね。

タテキ:めちゃめちゃバイオハッキングじゃないですか。なんか超マニアックな話になっちゃいましたね。

西田さん:そうですね。まだまだあるんですよ。

タテキ:本当ですか?レースの後でお疲れだと思うので、まだロブスターは食べたことないっていうことで(ボストン名物の)ロブスター食べて、本当にありがとうございます。レース終わってドカドカ入ってきて、こんなセッティングして収録しましょうみたいな

西田さん:まだまだ話し足りない感ありますよね

00:51:15 車椅子ランナーのウェルビーイング「できないことより、できること」

タテキ:そろそろお時間ということなのでじゃあ最後に、西田さんの西田先輩のウェルビーイングというか人生で自分自身が持ってる価値はこういうものだというのがあったら教えてくれますか?

西田さん:そうですね...やっぱりこれは車椅子生活になってから気づいたことなんですけど

タテキ:はい

西田さん:車椅子生活になって足が動かない、一生動かない一つできないことが増えた訳なんですけど、やっぱり車椅子になった当初っていうのは今までこんなん出来てたのに、歩けてたのに野球が出来てたのに出来ない先ず「できない」「できない」がすごい頭の中の思考として優先されたんですよね。でも、そんな時にリハビリの先生がおっしゃってくれた言葉があって、「西田君できないことばっかり考えててはいけないできることをどんどん考えていこうよ」と言われたんですよ。だから僕にとってできることは体の面で言ったら、上半身が不自由なく動くじゃないかとか、車椅子になったから出来へんと思ってた例えば車の運転であったり、それこそ手動装置っていうのがあるんですけど、アクセル、ブレーキにつなげて引いたらアクセル押したらブレーキとかっていう感じで車の運転もできると、それこそスポーツすることもできるとなんかそういう先生の言葉があって、なんか「できることなんぼでもあるやん」って思う思考に少しずつ変わっていったんですよ(この考え方)発展がこのスポーツに出会えたことであったりとか、今こうやってアスリートとして人生、生活することができているので、何て言うか...一つ前向きな、考えることで、それからの人生すごい楽しくなってきたなっていう風には思ってるんですよね。だから何て言うか...僕が色んな話してますけど、言いたいことなんでしょうね…やっぱり「できないこと」を考えるより「できること」を考えていく方がなんか人生すごい楽しくなれるよっていう風にそういう気持ちを持って今は生活していますかね。

タテキ:すごい重みのある西田さんのウェルビーイングですね。それはみんなにとってそうだよねって「できることを考える」ことは分かってるよっていうのがリスナーの方でもそうかもしれないですけど

西田さん:でも実際そんな僕自分で言いながら、うわ、今日練習したくねーってw (思う時も)あるんですけど、やっぱりそんな中でも今日はちょっと例えばフォームを意識してゆっくり走ろうとか、そういうできることっていうのは色々強度を変えながらできると思うけど

タテキ:一緒ですね普通に、他のアスリートと

西田さん:アスリート以外は普通に会社に行って仕事してる方でも、そういう絶対毎日、毎日、出来ない事に遭遇はしてるはずなんですよね。でも今日はこれをクリアしていこうっていうできることを何て言うか...そういうのをクリアしていけば楽しい楽しいか分かんないですけど

タテキ:楽しんだ者勝ちですよね人生

西田さん:そう!人生が楽しくなるんじゃないかなっていう風に思います。

タテキ:まさに黄金の経験です。ありがとうございます。じゃあ、まだなんか野球の話だったり色々あると思いますけどロブスターでも食べながら

西田さん:そうですね

タテキ:続きをしましょう。はい、ということで今日はアウトローなしでというかいつもは干城のところでリモートで対談をしてるんですけど、今日はインハウスということでゲストは西田宗城さんでした。ということでtatekitechmatsuda.comからサインアウトします。どうもありがとうオブリガード。

西田さん:ありがとうございます