ホロライフサミット東京2025
日本は世界のウェルネス市場のハブになる
渋谷パルコ, ドラゴンゲート
株式会社りらいぶ社長の佐々木社長と
バイオハッキングからホロライフへ
まず、タテキからはっきり言わせてください。「バイオハッキング」の時代は終わりました。
アジア初、日本初のバイオハッキングイベント開催!無事に成功しました!とお知らせする記事の一行目に「バイオハッキングは終わりました」って、出オチを通り過ぎて、言葉自体がもう「負債」じゃないか?と心配になりますよね。 「バイオハッキング」って聞くと、なんか怪しい(笑)とか、冷たい感じがするし、ハッキング怖い、という典型的な日本人のリアクションに対して、整理整頓して健全なバイオハッキングを広めようと、バイオハッカーサミット(ホロライフになる前)に出会ってから丸六年、ワンマンアーミーで頑張ってきましたが、日本の歴史や哲学自体が欧米勢が求めているゴールなのでは?と思うようになっていきました。
バイオハッっキング、アンチじゃなくてリバースエイジング業界は何より「最適化」に取り憑かれすぎてる。欧米のカンファレンスに行くと、みんな「寿命を延ばすこと」に必死すぎて、「延ばす価値のある人生」そのものを忘れてるんです。一方で日本のIkigaiやMoaiなど長寿のシステムの一部として、欧米式に定義され言語化されています。
バイオハッカー達の多くが、(タテキを含めて)HRVスコアだ、血糖値だ、睡眠パーセンテージだって、数字ばかり追いかけてる。 でも、タテキはいつも思うんです。
「一体、何のための最適化なんだ?」って。
HoloLifeという考え方
ギリシャ語の「Holos(全体)」から来ているこの言葉は、西洋が今まさに必要としている「思考の進化」です。不確かな未来の「寿命」を追いかけるのはもうやめよう。 今、この瞬間を「目的(Purpose)」と「質」を持って生きようぜ、と。
身体、マインド、価値観、人間関係、ミッションこれらは個別にハックするバラバラのシステムじゃない。すべてが統合された一つの「全体(Whole)」なんです。
ホロライフ創始者のテームが言う「80/20のライフスタイル知性」ってやつです。 あなたのウェルビーイングの80%を生み出す20%の習慣を見極めて、それを茶道のような精度と、日の出のような一貫性で実行する。
すると、あなたの人生は、プロトコルじゃなくて、アートになります。 あなたのビジョンは、次の四半期決算じゃなく、100年先まで延びていく。マレーシア人の友人キット=マーが登壇で日本式を説明してくれました。
この哲学的なシフトは、単なる言葉遊びじゃありません。 「長く“生存”する」ことと、「本気で“生きる”」ことの違いそのもの。
そして、日本は、何世紀も前からそれを実践してきた国なんです。
伊藤穰一氏とテーム
長寿の禅:データが「法」に出会う場所
HOLOLIFE Summit Tokyoのテーマは「Zen of Longevity(長寿の禅)」でした。 これが何を意味するのか、ちゃんと解説させてください。これ、単なるオシャレなキャッチコピーではありません。
日本における「長寿」は、単に年を重ねることではありません。 それは我々日本人が培えってきた文化や歴史に基づく思想や哲学「生き甲斐」や「今この瞬間(禅)であり、与えられた時間をどう使うかという誠実さなんです。
だから、あなたが睡眠や血糖値、HRVをトラッキングする時、日本式にそれを見ると、単なる「最適化すべきデータ」ではなく、自分自身を深く知るための瞑想」になります。
これが西洋のアプローチといかに違うか。(タテキの個人的な意見)
シリコンバレーでは、誰かに勝つために実験的なペプチドを自分に注射する。 一方、100歳越えのセンテナリアンは、毎朝市場へ歩いていく。
それは最新のアプリに指示されたからではなく、 新鮮な野菜を買いに行くことや自家栽培することが、彼女をコミュニティと繋げ、一日にメリハリを与え、自律性を保たせてくれるからです。
二人とも100歳まで生きるかもしれない。 でも、「本当に生きている」のはどっちでしょう?という問いを100歳以上生きようとする我々バイオハッカー達の中で再定義しようというのが核にあります。
6.3兆ドルという「現実」
タテキがこんなことを言うと、「また哲学的なおしゃべりか」って思う人もいるかもしれません。
経済の「現実」からみてみましょう(ホロライフポッドキャストEp63を参照)
世界のウェルネス経済は今や6.3兆ドル。 これは既に製薬業界よりデカいし、世界のヘルスケア支出の60%を占めています。 バイオハッキング産業は年率19%で成長。在宅ウェルネス技術は24%、在宅リカバリー技術なんて年率27.5%っていう驚異的な成長です。
これはニッチな趣味じゃないんです。 人類が健康や老化、人間の可能性についてどう考えるかという、マクロ経済の地殻変動です。
でも、面白いのはここから。 このチャンスに対して、地域ごとにアプローチがまったく違います。
北米: 「製薬マインド」。身体をハックすべき機械として扱う。イノベーションは得意だが、「統合」が絶望的にヘタ。
ヨーロッパ: イノベーションが「規制」で起こりづらい。AIガイダンスは制限され、伝統的な食品が「新規食品」扱いされて市場に出ない。スピードが遅すぎる。
アジア太平洋: 爆発的に成長してる。深い伝統と高い技術導入が両立してる。
でも、そのアジア太平洋地域の中でも、日本だけが突出した要因を集約しているんです!
次のウェルネス超大国は、シリコンバレーじゃない。
日本です!
タテキが今からその「4つの柱」を説明します。
日本のウェルネスが圧勝する「4つの柱」
1:シリコンバレーにはコード化できない『文化的DNA』
日本は、西洋がその言葉を発明するずっと前から、「予防的長寿」を実践してきました。これらはマーケティングされる「トレンド」じゃなく、日常に「埋め込まれた」実践です。
生き甲斐(Ikigai): 80歳の寿司職人が今も朝4時に起きて市場に行く理由。引退(リタイア)という概念がない。貢献の「仕方」を進化させるだけ。
腹八分目(Hara Hachi Bu): ダイエット法じゃない。「満腹」ではなく「充足」を知る哲学。これが日本の低い肥満率を支えてる。
温泉文化と森林浴: 「ヒートショックプロテイン」なんて言葉ができる何百年も前から、リカバリーとサーマルセラピーを常識にしていた。
これらは日本が採用しているトレンドじゃなくて、日本が世界に「教えることができる」実践なんです。バイオハッカー達がHarahachi bu 80%rule、とドヤ顔で説明していますが、日本文化を日本人がどんどん発信して説明してほしいです!
2:イノベーションの触媒としての「人口動態圧」
タテキの中で日本の「高齢化社会」は「危機」ではないと思っています。 イノベーションの「るつぼ」です。
人口の30%近くが65歳以上で、10万人の100歳長寿者がいる国ですよ? 「健康的な老化」はニッチ市場じゃない。「国家の生存戦略」そのものです。早く引退したい、働きたくない、というお声もあると思いますが、宝くじ当選者が、大当たりの後にあまり幸せにならないとよく聞く話がありますが、それでも宝くじを買いに行く人はいます。何かをきっかけに高齢世代のマインドセットにイノベーションが起これば活路があると思っています。
この「何か起こさないとプレッシャー」が、他国には存在しないイノベーションのエコシステムを生み出す可能性を秘めていると思います。 97%の国民が「健康が最優先」と答える国で、中途半端なマーケティング先行の製品は生き残れません。リアルな結果が求められるのは、その裏付けではないでしょうか。
3:高い信頼、高い導入率、高い基準
これが欧米が理解していない点です。 日本の消費者の74%はオンラインで物を買い、69%は既に健康データ共有アプリを使ってる。市場はデジタルに洗練されていて、イノベーションの準備はできています。
ただし、彼らの「基準」を満たせば、の話です。
日本の消費者は「信頼性」を要求します。 安全で、効果があり、自分たちの価値観に合っていると証明されれば、アメリカ人より速く新技術を受け入れる。 これは参入障壁じゃなく、「品質フィルター」です。
この「信頼」はマジで重要です。 日本で成功したプロダクトは、金では買えない「信頼」を背負うことになると感じました。
4:誰も語らない「規制のアドバンテージ」
日本の「トクホ(FOSHU)」システムや薬機法は、欧米が真似できない「規制の傑作」です。
科学的根拠があれば、企業が特定の健康効果を「主張」できる。 ……官僚主義じゃなく「証拠」に基づいた規制です。そしてこの規制にタテキも泣かされました。日本に紹介したいサプリなどは、今回諦めました。逆に日本から海外へはどうなんだ?と今回のサミットで思うようになりました。
これが巨大な「輸出アドバンテージ」を生む。 「Made in Japan」の機能性健康食品は、競合が越えられない「規制の堀」に守られながら、世界にスケールできるんです。
伊藤穰一氏と伊藤東陵氏によるパネルディスカッション
科学の最前線:日本は伝統だけじゃない
日本が伝統だけでリードしてるとか思ったら、大間違いです。 HOLOLIFE Summit Tokyoを準備する期間、会場で出会った研究者や科学者との会話で話した科学的イノベーションは、スタンフォードやMITに匹敵します。
エピジェネティックな若返り(細胞の再プログラミング): 老化は「損傷の蓄積」ではなく、「情報の損失」だという理解。山中教授のノーベル賞の研究だけではありません。あなたの「精神状態」や「目的意識」こそが、エピジェネティック(環境因子)な信号に影響を与える。日本の哲学は、生物学が意識に応答することを理解しています。
AIによる超個別化(N=1): 「N=1(被験者=自分)」の時代の到来です。AIがあなたの全データ(生体マーカー、遺伝子、ウェアラブル、食事の写真まで)を集約し、完璧に個別化された推奨を行う。あなたの生物学と今日のストレスに基づいた、あなただけの答えが手軽に低予算で手に入れることができます。
新しいモダリティ(水素、クライオ、サーカディアン): SFみたいな話が、もう東京のクリニックや施設で起きています。
原子状水素(Atomic hydrogen)療法: 悪いフリーラジカルだけを狙い撃ちする「スマート爆弾」のような選択的抗酸化療法。
全身クライオセラピー: -100℃に3分。炎症をリセットし、神経系を再調整する「制御されたストレス(ホルミシス)」。
サーカディアン(体内時計)最適化: 外部の時計じゃなく、あなたの「内部の時計」に合わせて、食事、睡眠、トレーニング、さらには重要な決定さえもタイミングを合わせる。
バイオハッカー初心者に簡単に説明すると、いつか来る未来の話じゃない。「今、ここ」で起きてることなんです。
生き甲斐:すべてを変えるカテゴリー
タテキが説明してきたすべてを統合する、戦略的な「答え」として、バイオハッカー達が好きな言葉「 生き甲斐(Ikigai)」をタテキなり定義しましょう。 「目的志向の日本のライフスタイル原則」と「高度な科学・精密データ」を融合させること。と言わせてください。
「腹筋を割るために身体をハックする」んじゃない。 「何十年も先まで(社会や家族、コミュニティーに)貢献し続けるために、自分の生物学とミッションを一致させる」という想いです。
これこそが、アメリカもヨーロッパも絶対に真似できない「差別化要因」です。 彼らにはない文化的深み、彼らが開発してこなかった規制の知性、そして「長寿」を目的ではなく「貢献」の手段と見なす哲学です。
インバウンド戦略とアウトバウンド戦略
海外のウェルネスブランドに言いたい。 日本市場が難しいのは「閉鎖的」だからじゃない。 「本気(シリアス)」だからです。
西洋の製品をコピペで持ち込んでも、絶対売れない。 基準が違う、期待値が高い、文化的文脈がすべて。 だからこそ、Relive社(サミット登壇企業)のように、国内で300万枚を売ってからヨーロッパに進出する。世界で最も要求の厳しい市場で自分を証明し、日本の「信頼性」を持って世界にスケールする戦略です。
日本が輸出できるのは「統合型モデル」です。 「科学的厳格さ」と「文化的知恵」 「伝統的実践」と「技術革新」 「個人の最適化」と「集合的なウェルビーイング」
日本のウェルネス技術は、ただ効果的なだけじゃなく、その美学と哲学によって望ましいものになっています。
次世代ウェルネスを日本へご紹介
マーケットではなく、ムーブメント
タテキがデジタルガレージの展示ホールで、参加者たちの熱気を見ていて、深く実感したことがあります。
これはもう「市場シェア」とか「投資機会」とか、そういう話じゃない(もちろんそれも大切ですw)。 人類が健康、老化、人間の可能性にどうアプローチするかの「根本的なシフト」なんです。
身体を「ハックすべき機械」として扱うモデルから、人生を「育むべきアート」として見るモデルへの移行。
西洋のウェルネスは「解決策(ソリューション)」を売る。
日本のウェルネス文化は「あり方(Way of Being)」を提示する。
一方は「顧客(Customer)」を創り、一方は「実践者(Practitioner)」を創る。
一方は「寿命(Lifespan)」を延ばし、一方は「人生(Life)」を拡張する。
異なる未来への「設計図」
日本は、より健康的で、より倫理的な長寿文化の「設計図」になりつつあります。 データだけを提供する他者に対して、日本は「知恵」を提供する。断片化に対して「統合」を、単なる長寿に対して「目的」を提供する。
サミットは、世界がこのシフトの準備ができていることを証明しました。 完売したチケット、70%の国際参加者、そしてあの熱量。これはトレンドの兆候じゃない。「変革」の指標です。
我々は「自己最適化」から「自己実現」へ、「バイオハッキング」から「ホロライフ」へ、「長く生存する」ことから「本気で生きる」ことへと移行です。
タテキは格闘家として、死と向き合い、生を選んできた人間です。だから断言できる。
目的のない長寿は、ただの「生存」です。 そんなゲームはやりたくない。
クロージングセレモニーはサイマティクスと癒し音楽で閉めました
共にムーブメントを起こそう!
もしあなたがウェルネス、長寿、フィットネス、栄養、パフォーマンス分野で何かを創っているなら、共に次世代ウェルネスの再定義を市場に求めましょう。
そこに、目的とデータと責任が出会う場所となり、 個人の最適化が集合的な進化のために機能する場になります。
次のHOLOLIFE Summitは2026年アムステルダムですが、このムーブメントは東京で、そして世界中で続きます。我々はメトリクス(指標)を最適化しているのではなく、「意味(Meaning)」を最適化しています。
タテキの問いかけは、「あなたが100歳まで生きるかどうか」じゃない。
「もし100歳まで生きたとして、それに意味はあったのか?」です。
選択肢は、古代の知恵か、現代の科学か、ではなく、 古いパラダイムにしがみつくか、新しい未来を創る側に回るかです。
HoloLifeへようこそ!
日本のウェルネス革命、そして 人間の可能性の未来を一緒に考えていきましょう。
No Artist, No Cultureアーティストがいなければ、文化は育たない!
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