感謝祭 2025

 

Thanksgiving 2025 by Tatekitchen

アジア人の感謝祭:七面鳥ラーメンと「制御されたカオス」の美学

アメリカの感謝祭といえば、普通はパサパサの七面鳥、マッシュポテト、そして午後4時には食べ過ぎで気絶…というのが相場ですが、 松田家は違う。今年は特に違う。

随分前まではアメリカ人の自宅に招かれて感謝祭を祝っていましたが、今となっては毎年恒例。

ゲストリストはただの友人じゃないです。家族での付き合い。 GF Ramen Labのビジネスパートナーであり、正真正銘のラーメンマスター、大西さん。 そして、トップクリエイターのJean(Extra Petite)とその家族。

プロのシェフとトップクリエイターがキッチンにいるんだ。 ありきたりな料理なんて出せない。 イノベーションを起こすしかないだろう?と毎年余裕がないのに背伸びするのがタテキです。

裏のメインイベント:七面鳥ラーメン

七面鳥の丸焼きは難しい。大きければ特にです。完璧な胸肉を目指すならモモ肉の深部は半生、完璧なモモ肉を目指すなら胸肉は少しパサつく。毎年恒例の「どっちを選ぶ問題」しかし今年タテキが欲しかったのは深みだ。旨味だ。網脂をオンラインでオーダーして、余分に七面鳥の首肉を仕入れました。

そのガラをセロリやセージなどと一緒にスロークッカーに入れて放置プレー。リッチで黄金色のターキー・ダシを抽出しましたた。 これはただのスープじゃぁないぃぃ。黄金の液体だ。 それを、タテキ達のグルテンフリーラーメン(小麦のような歯ごたえとコシを実現したあの麺)と合わせた。今年はターキーサンドイッチではなく、ラーメンが〆

ラーメンはもちろん大ウケでしたが、とても好評判だったのはグレービーソースでした。

ほとんどの人はレバーを加熱しすぎてゴムみたいにしてしまいます。 タテキはターキー・ダシとローストパンの中で、フォアグラのようにクリーミーになるまでゆっくり丸焼きと一緒に火を通しました。 ローストが終わって1時間七面鳥の肉汁が落ち着く間に、レバーとハツは細切れにして、グレービーソースの中に入れました。みんなから大好評!

毎年恒例の網脂で包む作戦

Photo by @jeanwang

農場から丼へ

食材の調達は、徹底的にローカルにこだわっています。

野菜はSiena Farmsのインゲン、芽キャベツ、三色の人参。 肉はWalden Meatsの牧草飼育。 そして調理しながらお家の大掃除、、、100%のカオスだ。

アイスクリーム緊急事態

ちょっとしたパニックがないとパーティーではありません。差し入れでいただいたアップルパイのためのアイスクリームがない!と気づくと3家族が唖然(どんだけアメリカ人化しているんだ?)。

ジーンの夫、ニックと顔を見合わせた。パニックだ。 アイスクリームなしでアップルパイを出すなんて犯罪とでもいう雰囲気。 分別ある男たちが取るべき行動は一つしかない。 デザートを救うために、セブンイレブンへの決死のダッシュだ!アメリカでは人種によって祝う祝日が違うので、サンクスギビングを祝わない人が経営しているコンビニ見たいな店が開いていると、こういう非常時に助かります。

デザートも無事サーブされ、 ルミ、ルイ、そして子供たちがアイスクリームとラーメン!と同時に叫んでいる姿。 それこそが、この夜のハイライトでした。

Dream on my plate

テーブルトーク:麺からユーロ経済まで

大人テーブルの会話は、メニューと同じくらい多様でした。

日本とボストンの湿度の違いが、生地の挙動をどう変えるか。 大西さんが説明してくれました。ここの水温と水分量は、日本の湿度の高い夏よりも麺を安定させるのに適しているらしいです。Tsurumenの現場仕事に入ったことのない素人タテキなので、いつも勉強になります。

そして話は世界経済にも及びました。 大西さんの最近のヨーロッパ旅行、バルセロナでのホテルの倒産騒動、そしてヨーロッパのサービス経済とアメリカのハッスル文化の比較。 出張先で予約していたホテルが倒産してドタキャンされたお話を聞いてびっくり!土壇場で代わりの宿を見つけられたようで安心しましたが、不景気が近々襲ってくるのか? 世界がどこに向かっているのかは誰にも分かりません。だからこそ、今この瞬間を味わい、感謝しようと思います。よし、食うぞ

来年の戦略

まだ残り物も食べ終わってないのに、もう来年の計画を立てている食いしん坊な自分が嫌になりますw コンセンサスは? もっとハードに、アジアの影響を取り入れよう!とジーン達とも話しました。

中華ソーセージ(ラプチョン)と椎茸を使ったもち米のスタッフィングでターキーちまき案。 ナンプラー、生姜、味噌バターを効かせたブライン(塩水漬け)で調理などなど。

感謝祭とは、受け継ぐ伝統のことじゃない。 自ら創り出す伝統のことだ、と勝手に盛り上がりながらアメリカに住むアジア人として楽しい感謝祭を過ごしました。

はっぴーサンクスギビング

Kion Coffee