タリンからヘルシンキへ:家族が教えてくれたこと
タリンからヘルシンキへ
「パパ」と、息子が日本語でささやいた。「あれは本物のヴァイキング?」
家族と一緒にタリンにあるHOLOLIFE CenterのHQにいました。サミット直後の混沌――あちこちに積まれたダンボール、散らばった機材、大きなイベントの後に残る心地よい混乱の中ってやつです。
子供たちの目には散らかったオフィスの無秩序は映っていなく、彼らは漫画から出てきたような大男に注目していました。サミットのスピーカーであり、彼の肩書きはなんと「プロフェッショナルベストフレンド」(なんじゃそりゃ?)でもあるSorin(ソリン)は、見た目がガチのヴァイキングなので突然、キッズはおとぎ話の世界にいるような感じでした。
BOS>TLL
タテキが計画していたエストニア家族旅行の理想的なスタートではありませんでした。妻が、ボストンからタリンまで、2人の幼い子供を連れてたった一人で飛ぶという奇跡を成し遂げた直後だったからです。タテキが離島でのマスターマインドを終えて空港に彼らを迎えに行った時、妻は疲れ果てていながらも勝利に満ちた表情をしていました。「サバイブしたよ」と彼女は言った。ドイツでの乗り換え、ワンオペの大変さ、積もる話はあるだろう。。。
エストニアの牛肉は本当に美味しい
だが、まず向かうべき場所がある。「エストニアン・バーガー・ファクトリー」である。タリンでの我々の定番スポットだ。昨年のブログを読んでくれた方なら、ここが松田家の伝統になっているをご存知だと思います。タテキはエストニアに来るたびに訪れるアメリカ人顔負けのバーガーレストラン。キッズたちはハンバーガーを丸ごと平らげました。これがトラベルハイってやつか?
見た目がガチでバイキングなソリンと出会う子供達
オフィスが遊び場に変わる時
翌朝、タテキはHQオフィスの片付けを手伝ってもらうために家族を連れて行きました。
仕事だろうが旅行だろうが子供たちには関係ありませい。妻とタテキが機材を分類し、箱詰めしている間、子供たちはその空間を遊びの場に変えていきました。すべてのダンボールが砦になり、すべての機材が遊具となり手がつけられない状態に。すると、Sorinがオフィスに入ってきた時、部屋全体の空気が変わりました。ガチのヴァイキングが来た!
バイキングと遊ぶ子供達
普段は人見知りをする娘が、彼にまっすぐ歩み寄った。「ヴァイキングみたいに強いの?」と、彼女は英語と日本語のミックスで尋ねた。Sorinは彼女の目線まで膝を折った―屈強な巨人が、まるで優しい巨人のようにしゃがんで目線を合わせて
「強いよー!」
海賊ごっこが始まり子供達は大はしゃぎ。北欧来てリアルヴァイキングに会えたら、もうすでにプライスレスなのか、、、
エストニア滞在にご満悦です。
プライスレスな体験
700年の蒸気:プライベートサウナ
タリンのオールドタウンのど真ん中に位置する「Ohana Sauna」にてプライベートサウナを体験してきました。
タテキはこれまで何百回とサウナに入ってきました。赤外線、フィンランド式、ロシア式バーニャ。それはタテキのバイオハッキング・ルーティンであり、リカバリー・プロトコルの一部です。
でも、タリンの旧市街にある築700年の建物で、何世紀も前に建てられた石壁に囲まれたサウナ空間は特別な雰囲気でした。2時間があっという間に過ぎました。サウナ後は持参していた浴衣に着替え、タリンの旧市街を歩きました。
日本の服を着た日本人家族が、ゴシック様式の尖塔やエストニアの露店が並ぶ、古い石畳の道を歩きながら観光する姿が珍しかったみたいで、観光客から逆に写真を撮られたり、地元の人々は微笑んでいたりと平和な時間を過ごしました。
ヴィヒタと浴衣悪くない
サウナ後はさっぱりでした
タリンの旧市街地を歩く
フィンランドへのフェリー
タリンとヘルシンキを結ぶバルト海をフェリーで移動。片道大体2時間で行けます。
松田家は北へ向かっていました。ラウタランピにあるVessiの「Sahala Estate」を訪ねるためです。HOLOLIFEでタテキが日本販売している人間工学に基づいた「Salliチェア」を作っている工場がある街です。
ヘルシンキからの電車で4時間、果てしなく続くかのような森を抜けていきました。子供たちは窓に顔を押し付け、湖を数え、エキサイトしてました。初の長距離電車の体験が日本の新幹線ではなく、フィンランドのVRとはw 確か初のお寿司体験も去年フィンランド人に奢ってもらったヘルシンキの日本食レストランで食べたSushiだったっけ(笑)
タリンからヘルシンキへ
自然が教えてくれること
サリーチェアの発明者ベッシーは、まるでずっと昔から知っていたけれども会ったことのなかった「おじいちゃん」のような存在です。70歳を超えているというのに、クソ元気な姿に感心超えて呆れるてしまうほどです。
ベッシーの所持する土地は広大です。森、畑、川。領地の説明は次第に、ベッシーによるレクチャーになっていきました。
「これは食べられる」と彼は小さなベリーを摘んで言った。「だが、これ(タテキの素人目にはまったく同じに見えるもの)は、君を病気にする。森は忍耐を教えてくれる。君は「見る」ことを学ばねばならない」お、ベッシーのスイッチが入ってきたな(笑)
娘はすぐに「良いベリー」をポケットに集め始めました。息子は棒きれを見つけ、自分を「海賊だー」と宣言しました(にしてもヴァイキング好きなのね)。すると、ベッシーが川の近くの泥に残されたヘラジカの足跡を我々に示したとき、二人とも立ち止まりました。
「これ、いつの?」と娘が尋ねました。「二日前だ」とベッシーは答え、「縁が柔らかくなり始めているだろう? 雨は昨日の朝に降った。この足跡はその前に作られたものだ」と説明しました。
タテキも昔は林試の森という森に毎日行って遊んでいたっけ?子供たちがスポンジのように知識を吸収するのを見ていると、スクリーンも、アプリもない。ただ、何千年もの間、人間が共有してきた知識を生で学機会が少なくなっているからこそ大切にしないと、と思いました。
川にて朝のコールドプランジ
サハラでの最初の朝、タテキは誰よりも早く起き、家の前の川に全裸でドボン。
水は冷たかった。アイスバス(氷風呂)ほどではないですが、システムをショック状態にすることなく、すべての細胞を目覚めさせる、完璧なフィンランドの川の冷たさだ。肩まで水に浸かり、大自然に囲まれた大きな家で眠っている子供たちのことを思いました。
子供たちの成長に細心の注意を払っているつもりです。オーガニックな食事、フィルターを通した水、最適な睡眠スケジュール。しかし、彼らが最後に「自然」から学んだのはいつだっただろうか?
ベッシーに言われて強く共感した言葉がある。
「子供たちにはこれが必要なんだ」と、彼がついに口を開いた。「自然に『ついての』教育(Education about nature)ではない。自然『から』の教育(Education from nature)がね」
生乳と森
ベッシーの食卓は、バイオハッカー顔負けの朝食だ。
妻のマリーが、すべて彼らの土地で採れたもので朝食を準備してくれていた。朝に摘まれたベリー。彼らの畑で採れたオーツ麦。そして、成分無調整のミルク、ジャージ牛でA2タイプの乳タンパクなのでアレルギー反応も少ない品種です。近所の農場へ連れて行ってくれ、搾りたてのものを分けてもらいました。
ベッシーは酵素と温度について説明しながら、ゆっくりと、慎重にミルクを温めました。「急いで熱しすぎると、良い酵素が死んでしまうんだ」と子どもに説明してましたが、子供たちは、早くホットチョコレートが飲みたそうでした。
生のカカオを加えて、ベッシー特製カカオドリンクを飲みました。
朝食の後、再び森を散歩しました。今度は、ベッシーが木々の読み方を教えてくれました。「この苔を見てごらん。北側にしか生えない。もし道に迷っても、木々が方角を教えてくれる」
マジでか、、、もっと自然から学びたいと思いました。
フィンランドの伝統スモークサウナ
スモークサウナ
伝統的なフィンランド式スモークサウナは、タリンでの体験とはまた違ったものでした。タテキはこれで数回目、妻は初フィンランドの六年振りなので、超久しぶりのスモークサウナ。
でも、体験をさらにプライスレスにするのが「ピート(泥炭)」の存在です。
ベッシーが、彼の所有する泥炭地から、謎の泥をバケツに入れて持ってきました。「何千年もかけて形成されたものだ」と彼は説明しながら、それを自分の腕に塗った。「死んだ植物が、薬になったんだ」臭いはガチでウ◯コっぽいです。
この気のクズで火を起こしてスモークサウナを温めます
しかーし、ピートにはフミン酸、ミネラル、抗炎症化合物、文明よりも古い泥は背急になる前の有機物で、EUの高級エステでピートを使ったセラピーをしたら日本円で10万円は軽く越すと思います。
自分たちの身体に、その泥を塗りたくり、スモークサウナで汗をガッツリ出します。もうこれ以上のデトックスが存在するのか?と思うくらい肌がスベスベになりました。
ガッツリ汗を出して、目の前の川にドボン。
鹿肉のシチュー
鹿肉のシチューとありがとう
その夜、マリーは鹿肉のシチューを出してくれました。隣人が狩猟した鹿を、彼らの庭の野菜で調理し、森のハーブで味付けしたものです。
子供達もペロリと平らげました。
ベッシーの生活は理想だよなー、と思いました。自分たちが消費するものは住んでいる土地で調達し、自然との調和や会話を通じて、日々の生活を調整する。森の手入れや土地の活用方法を微調整していく。そんな自分自身のテリトリーで狩猟された獲物にさえ愛着を感じるはずだ。
うん、美味しい。
ありがとう
サウナ後はお腹が減る!
ヘルシンキ観光
ヘルシンキに戻って、やっと一般観光客っぽいことをしましょう的なノリで観覧車に乗りました。
「スカイホイール(観覧車)」はシンプルなはずでした。観覧車、街の景色、家族写真のチャンス。しかし、上空何十mに行った瞬間、会いた口が塞がらなかった、、、
妻が突然「私高所恐怖症なの忘れてた」
はぁ?
彼女自身も、観覧車が動き出すまで忘れていた。そして、叫び声が上がった。 微妙な息切れではない。安全バーを掴み、「なんでこんなに乗ったの!?」と叫ぶ、フルボリュームの悲鳴だ。マジで意味わからん。
子供たちにとっては「ママ、面白いね!」と笑われる始末。娘は母親の手を取り、優しく撫でながら言った。「大丈夫だよ、ママ。ヴァイキングは高いところ、怖くないよ」娘、優しいな、、、
地上に戻って無事に家族で記念撮影。めでたし
食事の記憶
ストックマン(デパート)の近くで昼食を探していて、偶然「Herkku Bistro」を見つけた。しかし、最初の一食の後、またそこに戻った。二度も。美味しかったです。
デパ地下のご飯が美味しい。タテキの2歳半の息子が、スモークトラウト(鱒)の4分の1を一人で平らげた。子供と一緒だと毎回レストランというのがしんどい。ホテルの部屋ですぐにお風呂入れたり、その逆もありで子育てのオペレーションは家でも出先でもあまり変わりませんよね。
ランチはその日の出先や偶然の出会い系で場所を決めて、夕飯はデパ地下で調達、というスタイルに落ち着いたヘルシンキ滞在。フィンランド料理は、不当なほど過小評価されていると思います。
そして数年前に同僚のヴェロニカが勧めてくれた、湾を見下ろす「Art Café Taideterassi」で、フィンランド最後の食事を楽しみました。昔の家が可愛いのと、サーモンスープやフィンランドの歴史を感じさせてくれるセッティングです。
4歳児による撮影、、、悪くないね
子供たちが教えてくれたこと
フィンランド最終日、再び浴衣を着ました。
すごいスピードで成長するAIと共に生きる世代、子育てに正解はありません。家族と出会う前まではウェルネス界のリーダーシップをどのようにとっていくか?という個人の考えや物の見方でしたが、家族と合流した後は、父親として何ができるか?という部分を常に感じていました。
大人が最適化を求めている一方で、子供は素直で親が手を抜けば抜くほど、そのツケは積もっていきますし、子育てを最適化しようとすると、子どもにとってそれが最適でない場合も多いです。子育てに正解はないですよね。
もしかして子どもにとっての最適化は、実は「脱・最適化(De-optimization)」だとしたら?と思った2週間でした。 もし子供達が必要としているのが、より少ない「構造(Structure)」と、より多くの「森(Forest)」だとしたら? より少ない「測定(Measurement)」と、より多くの「泥(Mud)」だとしたら?
タテキは、ベッシーが言った言葉を今も考え続けています。「子供たちには、自然についての教育ではなく、自然からの教育が必要だ」と。
世界は急速に動いています。テクノロジー、AI、最適化、機能強化――すべてが加速しています。しかし、おそらく子供たちが最も必要としているのは、あのエストニアとフィンランドの大自然が提供してくれたものなのだろう、と帰りの飛行機の中で思いました。
時代を超越したものとの「繋がり」。 そして、どんなディスラプションにも届かないほど、深く張られたルーツなんだと気づけばアメリカで移民一世で親になっている自分らしい結論です。
皆さんも、現代のツールと時代を超えた教えの両方を子供たちに与える方法を見つけているなら、ぜひその話を聞かせてください。
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