ベン=グリーンフィールド 東京滞在 #1
急ですが、今日本に帰ってきてます。1週間セレブの護衛と東京の案内役としてボストンから戻ってきました。ベン=グリーンフィールドの肩書を説明するのは大変なので大きく割愛しても、、、ニューヨークベストセラー作家、スピーカー、コーチ、ちなみに2008年に全米一のパーソナルトレーナーにノミネートされてます。日本ではマニアックすぎて知られていないと思いますが、タテキは前からベンとは友人で、いわゆるセレブの方のトレーニングやコンサルに入るようになってからはベンの経験をシェアしてもらったりと、彼のチームのみんなも含めてお世話になっています。
日本で講演の仕事が入ったらしく、空いている日程で東京を案内してくれと頼まれたのでボストンから駆けつけましたぁ。ベンと東京を歩く。不思議な感じです。
DAY1
初日は一緒に味噌作りをしました。愛知で創業80年の老舗野田味噌商店さんによるワークショップを開いていただき、観光客ではなかなか体験できない本物の日本を経験してもらいました。なんと味噌作りを教えてくれた若旦那はタテキの一つ上で同じ高校の先輩でした。なんて偶然!?
味噌はアメリカでビーガンコミュニティーや腸活ブームによる発酵食品への注目で今となってはアジア系スーパーに行かなくても普通のスーパーで売られるようになりました。しかしアメリカで生産される90%以上の大豆は遺伝子組み換えで伝統的な調理法を用いずに調理した大豆はエストロゲンを大量に含み、もちろん含まれた農薬と農薬で疲弊した土地で大量生産された背景があると、反栄養素と人体に有害な物質が大量に含まれている安くて便利な食べ物になってしまいます。日本へ輸出される殆どがソレですね。なんとも皮肉な話ですね。大量消費社会と資本主義の結果、大事な食物がコモディティーとして金融商品化しているので一個人が何かできる訳ではありません。
日本の伝統的な技法は大豆を水に1日漬けたり発酵させたりします。この過程でエストロゲンの数値やフィチン酸やレクチンなどの反栄養素の数値が極端に減ります。コレが本来の健康食品で本当の伝統ですよね。皆さんで大切にしましょう。
味噌の種類
ワークショップは先ず味噌の味見から始まりました。メモメモ。。。
味噌の種類は材料と色で定義されます。確かに高校卒業まで首都圏内で育ったタテキは全国各地の味噌に全く精通していませんでした。赤味噌、白味噌、麦味噌などありますよね。味噌ビギナーたちは驚くと思います。だってワインやチーズと一緒で数え切れないほどの種類が存在します。コレ発酵食品あるあるなのですかね。まぁ、つまり、その、大豆と穀物の割合、環境、発行時間、穀物の種類でどの種類の味噌になるか決まります。
米味噌は日本で最も消費される種類で、全体の80%になるそうです。お米、大豆、納豆菌を混ぜた後に塩を加えて6−12ヶ月発酵させます。大雑把に言って6ヶ月発酵させた味噌が白味噌、12ヶ月発酵させたのが赤味噌と定義されるみたいです。白味噌の方がマイルドで優しくて甘みがある塩気があるのに対して赤味噌はもっとシャープでピリッとした後味があります。
豆味噌は米麹を使用して濃い茶褐色になり深い味が出ます。
麦味噌は田舎風の素朴な感じの米味噌みたいな感じでしょうか。濃い色で大粒な感じの舌触りが特徴で、大豆、麦麹、塩でできた味噌です。南部の地域では田舎味噌の愛称で親しまれているそうです。本州、九州、四国で好まれています。麦味噌の多くが米味噌よりも長く発酵されてタンパク質の保有量も高い一方、炭水化物は少なく出来上がります。つまり甘さ控えめで長い熟成を経て旨味たくさんに仕上がった塩気の強いフルボディな味噌ですね。
アメリカは白味噌が主流で塩気控えめな仕上がりです。材料は大豆と米の両方
発酵
発酵の仕方
天然発酵(全体の10%)は伝統的手法で味噌が熟成の段階に入った時に、四季の移り変わりを経て、ゆっくりと熟成してゆく方法
速醸法(90%)は反対に人工的に温度を調節して(熱を加え)麹の働きを活発にし、短期間に味噌を作りあげる速醸法があります。
伝統
天然醸造の味噌と速醸法の味噌ではコク、香り、旨みなどにおいて、ワインなどの醸造品と同じように味に大きく違いがあります。長期間熟成すると、自然と塩カド(ツンとした塩辛さ)がとれ、甘味的な底味が生まれてきます。多くの市販の味噌では速醸法では生まれてこない、コク、香り、旨みの差を、調味料などを添加して誤魔化しているので、普段我々は自然豊かな風味を味わえません。職人が味噌本来の味とは決して作る味でなく、醸造として育て上げる味への姿勢を学びました。
本家がある愛知では、第二次大戦中、海軍の岡崎飛行場の格納庫であった建物を改装した味噌蔵が今も現役だそうです。その中には昔ながらの杉、桧の木桶が約400本ほどあり、それぞれの木桶の中で味噌は育て上げられます。いつか直接訪れて歴史を食したいな。
米味噌(十割) 1.85kg 材料
湯がいた大豆1kg (乾燥大豆: 500g)
米麹 500g
塩 200g
水150cc
湯でた大豆と麹をよく混ぜる
1. 手掴みで大豆を揉んで潰す
2.一粒残らず潰しましょう
3.米麹と塩をここで加える
4. よく混ぜたあとは熟成させる容器に保存します。
5.ペースト状になった大豆と麹にヒビが入るような場合は水分が不足しているので茹で汁を加えます。
6. 引き続き混ぜ合わせて味噌ペーストをボールの形にして空気を抜く
7. ボール型の味噌を熟成させる容器に入れて味噌を押しながら内部の空気を完全に抜く
8. 容器に隙間がないようにペーストを敷き詰める
9. 表面を平らにする
10. 表面に塩を振ってカビの繁殖を防ぐ
11.容器を密閉する
12. 隙間がないか密閉する蓋を確認、重石は味噌の20, 30%の重さを選ぶ。蓋の上に載せて味噌の表面全体に圧がかかるように重石を置く
保存場所
直射日光を避けた涼しい場所に保存する。
カビ
白カビが発酵中に表面に生えてくることがあるかもしれませんが、人体に害はありません。味噌が熟成するまで放置していても構いませんし気になる方は取り除きましょう。注意しなければいけないのは暗い色、黒っぽいカビは即座に取り除き、その部分に塩を振って再発を防ぎましょう。
食す!
味噌として食べられるようになるには4ヶ月ほど熟成する必要があります。来年年明けの1月中旬ですね。待ち遠しいです。熟成後は市販の味噌と同じく冷蔵庫で保管して使用します。冷蔵庫に入れると発酵が止まってしまいます。好みの熟成期間を見つけましょう。
味噌作り、東京観光後にベンを銀座に連れて行きました。そうです「ザギンでシース」です。一丁前にお世話になっているとっておきの場所に連れて行きました。北海道から直送される最上のネタに天然赤酢のシャリ、滑らかな手触りの総檜カウンターと、いかにも銀座らしい高級感あふれる店『九谷』です。
江戸前寿司の伝統的なシャリの形式、赤シャリの寿司店です。赤シャリは白酢ではなく、赤酢と米を混ぜ合わせてつくったシャリで、赤酢は酒粕を醸造させたもので、米を醸造させた白酢よりも香りが強く、まろやかな味わいがあります。酒粕にふくまれる栄養素によって酢が褐色に変化しており、赤酢をもちいた赤シャリは名前の通り、シャリに薄く赤い色がつくのが特徴です。寿司の歴史と背景を説明すると外人さんも大喜びです。
シャリに使用する米は世界遺産にも登録された、自然豊かな白神山地の麓で取れた2年物の古米。ほんのりと薄茶色に色づいた赤酢から円味が加わってさらに滋味深い味わいに。新鮮な食材をさらに引き立てます。寿司以外にも日本全国から旬の素材の中でも『走り』と呼ばれる時期の食材を仕入れ、お勧めのお料理を出してくれます。ベンは一品一品に驚きを隠せず、タテキに質問ラッシュを浴びせ英語で説明するのも大変でした。
北海道の新鮮なネタをその日のうちに空輸され伝統的な江戸前スタイルと伝統的な和食と斬新な発想で生み出された料理を提供してくれます。もうアゲアゲですね。アジア系の多い西海岸(ベンの拠点)は日本食レベルがとても高いのですが、銀座の鮨には言葉を失ったそうです。よかったよかった。
なかなか馴染みのない「赤シャリ」ですが、この機会にぜひ本格的な江戸前寿司のお店を訪れてみては?
鮨 九谷
〒104-0061 東京都中央区銀座7-3-9 銀座Leeビル B1F
TEL.03-3573-8030
【営業時間】
昼の部 12:00~14:00
夜の部 17:30~0:00(ラストオーダー22:30)
【定休日】定休日無し、お盆と年末年始のみ休み
地下鉄丸の内線「銀座」駅徒歩5分
JR山手線「新橋」駅徒歩5分
JR山手線「有楽町」駅徒歩5分
銀座駅から400m