牛肉のクレピネット包み
Crépinette
お気に入りの地元ブッチャーから網脂を入手しました! 網脂は、豚、牛、羊の消化器官を取り巻く膜性脂肪です。個人的には一番おいしいFATだと思います。 繊細なクモの巣のように見えます。 とにかく網脂が手に入り、とても興奮してたので、「レアな食材が手に入りました!」と友人に伝えました。 食通の友人がそれを聞いてすぐに、「ボルドーを開けよう」言ったので、興奮からの緊張になりました。 笑
お気に入りのレストランでコース料理を楽しむと、今度は自宅で料理を作れないかな?と考えませんか?
料理学校に行ったことがありませんが、多くの人からタテキッチンいいねと言われてうれしいです。
さてさて、前菜にしようか悩んでいました。 斬新で目新しいサラダを作るのは難しいかもしれません。 だから常にシンプルが最高! ボストン近郊では超新鮮なミニトマトや青野菜を簡単に手に入れることができます。 このサラダのソースは、カイエンをほんの少し加えたビーツがベースのドレッシングソースです。
コース料理を作ると、食べる人はさまざまなプレートを楽しむことができます。メニューは多種多様で、料理は互いに重なり合って全体的なバランスとその日のストーリが出来上がるような気がします。食べ物を通して物語を作る時間と自由が与えられる気がするのはタテキだけでしょうか?
最近はシチリア料理に少し夢中になっています。理由はボストン周辺に多くのシチリア人がいるからです。 「リトルイタリー」に住んでいたとブログにも書きましたし、タテキッチンの写真を見ればイタリアンな印象がまず最初にありますよねw
ちょうどシチリアの伝統料理、パスタ・コン・ル・サルデを作りたかったのでパスタはシチリア風イワシパスタに決定!それと、この出張シェフサービスの機会のおかげで、ボストンのEataly(イタリアとイートを合わせてイータリー)に行き食材をディグってきました。ボストンに新しくオープンしたガチの食べるイタリアがボストンマラソンのゴール付近にあります。イータリーでは伝統的なイタリアの小麦粉で作られたパスタを見つけることができます。このシチリアのパスタ料理にはブカティーニが最適です。
イワシはシチリア島で豊富で、他の魚よりもはるかに安く手に入ります。ボストンでは安くはないけどね。地元のファーマーズマーケットからの新鮮なオーガニックのフェンネルが、パスタの風味を豊かにしてくれました。ナッツのクランチーな歯応えとレーズンの甘味が一層塩気を引き立てました。
さーメインのお時間です!パスタ食べすぎないでください!白ワイン飲みすぎないでください!
網脂の登場ですよ。何でそこまで興奮しているかって?牧草食べて育った牛の赤身の調理は難しいからです。火加減が足りないとチューィで噛みきれない、火を通し過ぎるとパサパサになってしまいます。
そこで網脂で包むと、型崩れを防ぎ、素材の旨味を閉じ込めて美味しさを逃がしません。またお料理に脂のコクを与えたり、デリケートな素材の料理には欠かせません。
タテキッチンは栄養学がなんたら、健康にいいからなんたら、ではなく、シンプルに食事を通じて幸せと喜びを追求したい。それだけです。応用栄養学を勉強しましたが、栄養学以前に現代社会には24時間、いつでもどこでも食べ物が手に入る環境に我々は住んでいます。飢餓を乗り越えた人類は旬なものしか食べられなかったし、冬などは獲物が獲れるまで空腹(ケトーシス)の状態だったでしょう。
その時、その場で手に入った物を残さず感謝の気持ちを持って食べましょう。by Tatekitchen
そんなことよりデザートタイム!!
本物のクリームで作られた本物のアイスクリーム。地元の農場から生のミルクとクリームをもらいました。
はい、またここでウンチク。低温殺菌(ホモジェナイズ)された牛乳よりも生乳(生ミルク)を優先的に摂取する理由はたくさんあります。ちなみに牧草育ちのジャージー種や中東に生息していた牛に拘ります。牛乳に含まれるたんぱく質であるβカゼインには、βカゼインA1とβカゼインA2があり、どちらをどれだけ含むかは、牛の品種や遺伝形質によって決定されます。
βカゼインA1を分解すると「beta-casomorphin-7 (BCM7)」と言うペプチドに変えられます。この「BCM7」アミノ酸は人間の体に消化器官にとって大きすぎるアミノ酸で消化不良を起こすだけではなく、このBCM7は神経系にも悪影響を与えます。さらにこのペプチドがオピオイド効果を有していることが問題で、自閉症のリスク増加、タイプ2型の糖尿病リスク増加、リーキーガットの原因などが挙げられます。
一方、母乳、ヤギや羊、ラクダのミルク、いくつかの牛の種類はこの「βカゼインA1」を主に含んでいません。だからA2ミルクは倍の値段で取引されています。(そこまでして牛乳飲みたいか!?)
そして牧草育ちの牛乳は脂溶性ビタミンや他の栄養素のレベルが高いとされ、共役リノール酸(CLA)と必須脂肪酸(オメガ3)のレベルが高いことが示されています。低温殺菌された牛乳を消費すると、多くの人が消化器の問題やお腹を下すことがあります。生乳の場合、その確率が低くなります(もちろん殺菌されていないので違う感染症の可能性は上がりますけど)。
臨床研究で証明されてはいませんが、生乳は低温殺菌された牛乳よりも消化しやすい理由として、生乳には酵素ラクターゼが含まれていると言われています。これはミルクの中にある糖分、乳糖を分解する酵素です。アイスクリームを食べたり、牛乳を飲むとお腹を下す人は乳糖不耐症と呼ばれる人達です。統計学的にアジア人のほとんどがこれに当てはまります。
ヤバイ!ちょっと脱線するとすぐウンチクを書いてしまう。。。はい、アイスクリームめちゃめちゃ美味しかったです。