フレンチ・カスレ 2024

 

French Cassoulet

クリスマス・カスレ 2024

メリークリスマス! 今年もこの季節がやってきました。松田家のクリスマスの時間です。

七面鳥?ハム? いやいや、松田家の伝統は、「フレンチ・カスレ」です。

鴨のコンフィ、豚バラ、ソーセージ、白いんげん豆…。 作るのに丸2日かかるけど、食べたら「魂」を込めたことが分かる料理。 だって、マジで魂込めてますから(笑)。

Day 1:Foundation

タテキのカスレ作りは、クリスマスの2日前から始まります。 まずは「ストック(出汁)」作り。鴨ガラ、豚骨、香味野菜(玉ねぎ、人参、セロリ、タイム、ベイリーフ、黒胡椒)。 これが黄金色のリッチなスープになるまで、何時間も煮込みます。

ストックを煮込んでる間に、鴨のコンフィの準備。 鴨モモ肉に塩、ハーブ、ニンニクをしっかり擦り込んで、一晩寝かせます。

翌朝。 キュアした鴨モモ肉を、鴨の脂に完全に沈めます。 そのまま低温のオーブン(225°F / 約107℃)で、3時間。 肉が「ありえないくらいホロホロ」になるまで、じっくりスロー・コンフィ。

豚バラ肉の塊も、先に焼き色をつけてから、ストックでトロットロになるまでブレイズ(蒸し煮)。 スペアリブも同じ。骨からホロッと肉が外れるまで、スロークック。 ソーセージ(タテキはトゥールーズ風を使います)は、別のフライパンで軽く焼き目をつけるだけ。旨味を閉じ込めます。

ここまでが、まず1日目。

Day 2:Assembly

クリスマスイブの朝。 あの「最強のストック」で、白いんげん豆(カンネリーニ)を茹でていきます。クローブを刺した玉ねぎ、人参、セロリ、タイムも一緒に。豆が柔らかく、でも崩れない絶妙なところまで。

そして、いよいよ組み立て。 ここからが、カスレがカスレになる瞬間です!

タテキのデカい赤のダッチオーブンに、まず豆の層を敷く。

その上に、骨付き肉、 ソーセージ。 さらに豆。 さらに肉。 「旨味の層」を、ミルフィーユみたいに重ねていくんです。

最後に、煮汁を全体に回しかけます。 ヒタヒタに泳がせるんじゃない。湿らせる感じ。

375°F(約190℃)のオーブンへ。 フタはしない!ここが一番大事! タテキ達が欲しいのは、表面がパリパリなクラストですから!

表面の豆と肉がキャラメリゼされて、カリッカリになる。 これぞカスレの魔法です。

そして、30分ごとに、オーブンから出して、その「クラスト」をスプーンで壊し、豆の下に押し込む! そして、また新しいクラストが出来るのを待つ。 これを2時間で、3回繰り返すんです。

クリスマスの食卓

夕方。 カスレが、完璧な状態に仕上がりました。 表面はダークなクラスト。その下では、旨味がグツグツと泡立ってる。 もう、家中にエロい香りが充満してます。

テーブルを囲む。 大皿に、ドカンと取り分ける。 全員の皿に、鴨と、豚と、ソーセージと、そしてあの「全ての旨味を吸い込んだ豆」がちゃんと入るように。

一口食べる。 …濃厚。香ばしい。 深い旨味が、ガツンと来ます。

これぞ、タテキ家のクリスマス。 伝統的なアメリカ料理じゃない。伝統的な日本料理でもない。 でも、これ毎年やってます。

メリークリスマス!

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